51日目のあれ。
ノリって怖いね。うん。
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温泉から帰る途中。
フィチーは空を見上げながら歩いていた。
雲は一つもない、冬の空。
そんな空を見上げながら彼はため息をついた。
久しぶりに温泉に行くと、後から黒獅子が入ってきた。
そこから色々あり、彼は”雪を降らせてくれたお礼”として何がいいと聞いてきた。
フィチーは少し悩んだ後、『剣』を1回だけ持たせてほしい――つまり少し貸して欲しいと頼んだのだ。
それは記憶の中では『剣』を持って戦っていたのなら、『剣』に触れれば何か思い出すかもしれないと思ってのことだった。
だが結局、記憶が蘇る事はなかった。
手に持ってみても、レイの真似をして軽く素振りをしても思い出す気配は全くなかった。
そんな簡単に思い出すことはないと思っているものの、フィチーは内心がっかりしていた。
また、ため息をつきながら今度はぼんやりと自分の右手を眺め、考える。
「・・・そーいや、『アレ』も一体・・・」
日記をつけた際に、どこかで聞いたことがある言葉。
一体どこで聞いたのだろう・・・?
『――ならないと・・・』
「・・・ッ!」
急に声が聞こえたと思った瞬間、剣が映す光が見え、そして、頭に激痛が走った。
あまりの痛みに手で頭を押さえ、しゃがみ込む。
声たちと光は続く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その光は真っ赤な夕焼けを映し出していた。
『え?』
剣を持つもうひとつの声が振り返り聞き返す。
すると先ほど聞こえた声が今度ははっきりと言う。
『皆を守れるほど、強くならないと・・・!』
『・・・・・・ったく』
しばらく黙った後、もうひとつの声はため息をつき、剣を差し出す。
『ほらよ』
すると、最初に聞こえた声は驚いた声で言う。
『って、これ――』
『貸してやるよ。お前の分ができるまでな』
『なっ』
だが、その声はもうひとつの声によってかき消され、もうひとつの声がそう告げる。
最初の声は初めは躊躇ったが、やがて恐る恐ると夕日色の剣を受け取った。
その様子を見て、もうひとつの声は笑い、そして、今度は羨ましそうな声で言う。
『お前はなくても十分だと思うがなぁ・・・ホント』
『そ、そーかもしれ――
と、そこで声と光は急激に小さくなっていき・・・
そして消えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・」
いつの間にか、頭痛がしなくなっていた。
彼は何かを振り払うかのように頭を振るとのろのろと立ちあがった。
再び、空を見上げる。
さっきと変わらない雲一つない、冬の空。
彼はしばらく黙り続けていた。
どのぐらい経ったのだろうか。
彼はまたため息をつき、前を見た。
霧がたち込める遺跡へと戻る道。
彼はまた何かを振り払うかのように首を左右に振った後、
「・・・行くか」
フィチーはゆっくりとその道へと進み始めた。
------------------------------------------------------------
○Thank you!!
キャラたちをお借りしました。
ENo.1634 レイコーリさん
ENo.2270 ガルヴァニナーナさん
ENo.2271 麒麟さんのサブ、黒獅子さん
===================================
ってことで
記憶蘇りフラグ回収。
あんな
軽いフラグから一気にねぇ・・・
宿の温泉で暴れてきました。そこから
無理矢理発展させてきましたとさ。
つまり、元ネタは黒獅子さん、あなたです(
本当に色々と遊んで頂きありがとうございますm(_ _)m
描きたいけど、動物は描けないんだよ・・・!
さて、勘がいい人はたぶんあることに気づくはず。
このことは特に記憶に関してのものは大体当てはまるよ・・・たぶん(
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温泉から帰る途中。
フィチーは空を見上げながら歩いていた。
雲は一つもない、冬の空。
そんな空を見上げながら彼はため息をついた。
久しぶりに温泉に行くと、後から黒獅子が入ってきた。
そこから色々あり、彼は”雪を降らせてくれたお礼”として何がいいと聞いてきた。
フィチーは少し悩んだ後、『剣』を1回だけ持たせてほしい――つまり少し貸して欲しいと頼んだのだ。
それは記憶の中では『剣』を持って戦っていたのなら、『剣』に触れれば何か思い出すかもしれないと思ってのことだった。
だが結局、記憶が蘇る事はなかった。
手に持ってみても、レイの真似をして軽く素振りをしても思い出す気配は全くなかった。
そんな簡単に思い出すことはないと思っているものの、フィチーは内心がっかりしていた。
また、ため息をつきながら今度はぼんやりと自分の右手を眺め、考える。
「・・・そーいや、『アレ』も一体・・・」
日記をつけた際に、どこかで聞いたことがある言葉。
一体どこで聞いたのだろう・・・?
『――ならないと・・・』
「・・・ッ!」
急に声が聞こえたと思った瞬間、剣が映す光が見え、そして、頭に激痛が走った。
あまりの痛みに手で頭を押さえ、しゃがみ込む。
声たちと光は続く。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その光は真っ赤な夕焼けを映し出していた。
『え?』
剣を持つもうひとつの声が振り返り聞き返す。
すると先ほど聞こえた声が今度ははっきりと言う。
『皆を守れるほど、強くならないと・・・!』
『・・・・・・ったく』
しばらく黙った後、もうひとつの声はため息をつき、剣を差し出す。
『ほらよ』
すると、最初に聞こえた声は驚いた声で言う。
『って、これ――』
『貸してやるよ。お前の分ができるまでな』
『なっ』
だが、その声はもうひとつの声によってかき消され、もうひとつの声がそう告げる。
最初の声は初めは躊躇ったが、やがて恐る恐ると夕日色の剣を受け取った。
その様子を見て、もうひとつの声は笑い、そして、今度は羨ましそうな声で言う。
『お前はなくても十分だと思うがなぁ・・・ホント』
『そ、そーかもしれ――
と、そこで声と光は急激に小さくなっていき・・・
そして消えた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・」
いつの間にか、頭痛がしなくなっていた。
彼は何かを振り払うかのように頭を振るとのろのろと立ちあがった。
再び、空を見上げる。
さっきと変わらない雲一つない、冬の空。
彼はしばらく黙り続けていた。
どのぐらい経ったのだろうか。
彼はまたため息をつき、前を見た。
霧がたち込める遺跡へと戻る道。
彼はまた何かを振り払うかのように首を左右に振った後、
「・・・行くか」
フィチーはゆっくりとその道へと進み始めた。
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○Thank you!!
キャラたちをお借りしました。
ENo.1634 レイコーリさん
ENo.2270 ガルヴァニナーナさん
ENo.2271 麒麟さんのサブ、黒獅子さん
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ってことで
記憶蘇りフラグ回収。
あんな
軽いフラグから一気にねぇ・・・
宿の温泉で暴れてきました。そこから
無理矢理発展させてきましたとさ。
つまり、元ネタは黒獅子さん、あなたです(
本当に色々と遊んで頂きありがとうございますm(_ _)m
描きたいけど、動物は描けないんだよ・・・!
さて、勘がいい人はたぶんあることに気づくはず。
このことは特に記憶に関してのものは大体当てはまるよ・・・たぶん(
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